ガイドなしOK!マリユドゥの滝・カンビレーの滝の行き方と注意点

マリユドゥの滝

西表島のジャングルの奥深くに、ガイドなしのひとり旅でもたどり着ける絶景の滝がある。「日本の滝100選」にも選ばれたマリユドゥの滝と、「神の座」を意味するカンビレーの滝だ。沖縄県最長の川・浦内川を遡る船旅とトレッキングを組み合わせたこのルートは、他の離島では絶対に体験できない世界が広がっている。実際に訪れた筆者が、アクセス方法から注意点まですべて解説しよう。

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西表島が世界自然遺産に登録された理由

西表島は沖縄県・八重山諸島に位置し、沖縄県内では沖縄本島に次ぐ2番目の大きさを誇る島だ。2021年に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」としてユネスコ世界自然遺産に登録された。

島の面積の約90%をジャングルが占め、イリオモテヤマネコやカンムリワシといった希少な野生生物が生息する。浦内川は沖縄県最長の川で、両岸にはマングローブが生い茂り、400種類以上もの魚が生息する日本一の生態系が特徴。

ジャングルはガイドなしでは立ち入れない場所が多い

西表島のジャングルは魅力的だが、2025年3月からオーバーツーリズムによって自然資源を損なうことなく、この先ずっと守り続けていくために、5つのフィールドで利用人数制限が始まった。以下のフィールドに入るためには、登録引率ガイドが同行、または利用者全員が事前講習を受講する必要がある。

該当フィールド名上限人数立入りの条件
ヒナイ川(ピナイサーラの滝)200人/日登録引率ガイドが利用者に同行すること
西田川(サンガラの滝)100人/日
古見岳30人/日登録引率ガイドが利用者に同行すること、または利用者全員が事前に講習を受講すること
浦内川源流域(マヤグスクの滝・横断道)50人/日
テドウ山30人/日

どれも人気の観光スポットだ。ピナイサーラの滝とサンガラの滝は、竹富町が認定した“特定自然観光資源を案内するための知識や技術を有する”ガイドの同伴が定められている。

残り3つのフィールドに関しては、利用者全員が事前に講習を受ければガイドなしでも入れるが、安全面を考慮すると登録引率ガイドのツアーに参加したほうが安心だろう。

マリユドゥの滝・カンビレーの滝はなぜガイドなしで行けるのか

この2つの滝へのルートには、浦内川観光が運航する浦内川遊覧船(ジャングルクルーズ)が利用できる。川の下流から上流の船着場まで遊覧船で移動し、そこから整備された遊歩道を歩くため、地図やガイドなしでも迷わずたどり着ける。遊歩道には標識が設置されており、道に迷う心配はほとんどない。

浦内川遊歩道の案内図も設置されている
浦内川遊歩道の案内図も設置されている

下の動画のような遊歩道を30~60分程度歩けば2つの滝にたどり着く。

マリユドゥの滝の基本情報

項目内容
読み方まりゆどぅのたき
意味「まるい淀み」(方言)
落差約16m
約20m
特徴2段になって滝壺に落ちる豪快な滝。日本の滝100選に選定
船着場からの所要時間約30分

マリユドゥの滝は展望台から全容を見渡せる。以前は滝のそばまで降りることができたが、現在は通行止めになっているため、遊歩道から階段を少し登った場所にある展望台から見るのが一般的だろう。通行止めになっている手前まで行けばもっと近くで見られるが、個人的には展望台がおすすめだ。

展望台から見たマリユドゥの滝

日本の滝100選にも名を連ねる、二段に重なる瀑布と大きな円形の滝壺。展望台から見下ろすその姿は、水しぶきを肌に感じるような動的なものではない。むしろ、ジャングルの深奥で静かに時を刻む、幽玄かつ荘厳な気配をまとった聖域のようだ。

カンビレーの滝の基本情報

項目内容
読み方かんびれーのたき(カンピレーと表記されることもある)
意味「神の座」(方言)
落差約20m(沖縄最大)
長さ約200m
特徴岩盤を這うように流れる滝。周辺にポットホール(岩の丸い穴)が多数
船着場からの所要時間約50〜55分

カンビレーの滝は一般的な滝のイメージとは異なり、なだらかな斜面の岩肌を水が流れていく形状だ。西表島の中でも第一級の聖地とされており、岩の上を歩いて滝に近づくことができる。ただし岩は非常に滑りやすく、十分な注意が必要だ。

カンピレーの滝

上の画像のとおりパッと見た感じの落差はあまりないが、約200mの壮大な滝が広がる。滝の前まで行けるため、水の流れる音も大きく、マリユドゥの滝よりもさらに自然を肌で感じることができた。

筆者はトレッキングシューズで行ったが、どんなに注意して歩いても何度か足が滑った。また、遊歩道ではぬかるみを歩くため、スニーカーやトレッキングシューズよりもグリップ力の高いマリンシューズや長靴のほうが歩きやすいはずだ。

石垣島からマリユドゥの滝・カンビレーの滝へのアクセスと行き方

石垣島から西表島上原港へ

石垣島のユーグレナ石垣港離島ターミナルから高速船で西表島・上原港へ向かう。所要時間は直行便で約44〜55分。航路は安栄観光と八重山観光フェリーの2社が運行しているが、ここでは参考として安栄観光の時刻表と料金を掲載する。なお、運航ダイヤや料金は変更となる可能性があるため、最新の情報は公式ウェブサイトで確認してほしい。

時刻表

石垣発上原発備考
07:0008:00直行
08:3009:30鳩間島経由
13:3014:30直行
16:3017:45鳩間島経由

所要時間:直行 約45〜55分 / 鳩間島経由 約70〜80分

料金表

区分片道往復
大人(中学生以上)3,290円6,370円
小人(小学生)1,650円3,200円
障がい者割引2,250円4,500円
  • 未就学児は大人1名につき1名無料(混雑時は膝上での案内)
  • 運賃には燃料油価格変動調整金が含まれており、変動する場合あり
  • 上原港発着時は上原港〜白浜方面の接続送迎バスあり(乗船券購入時に申し出が必要)
  • 石垣港での支払い:現金・クレジットカード・各種電子マネー・QRコード決済(PayPay等)対応
  • 上原港での支払い:現金・クレジットカード・一部電子マネー・PayPay対応

上原港から浦内川遊覧船乗り場へ

西表島上原港からのアクセスは以下のとおりだ。

手段所要時間
レンタカー約15~20分
路線バス(浦内川バス停下車・徒歩約2分)約15~20分
浦内川観光の無料送迎バス(上原港・星野リゾート西表島ホテル限定・1日2便)要確認

浦内川遊覧船(ジャングルクルーズ)の情報

項目内容
運航浦内川観光
料金大人3,000円・子供1,500円(往復)
営業時間8:30〜16:30
予約不要(出発10分前までに乗り場へ)
乗船時間片道約30分

帰りの便の時刻は、行きの船で必ず確認される。上流での滞在時間の目安は約2時間とされているが、ゆっくり楽しみたい場合は、1本遅い便に変更する旨を伝えておこう。遊覧船以外に下流へ戻る手段はないため、時間管理は非常に重要だ。

ちなみに筆者は、朝イチの便で上流へ向かい、帰りは1本遅い便に変更した。その結果、ほかの乗客は予定どおりの便で戻り、カンビレーの滝には筆者ひとりが残ることに。

そう、カンビレーの滝を独り占めできたのだ。もちろん、「ここが私のアナザースカイ!」と叫んだのは言うまでもない。

全行程の所要時間目安

所要時間の目安は以下のとおり。もし、石垣島からの日帰りで行こうと思うと、午前中の便で西表島に渡れば問題なく滝とトレッキングを楽しめる。

区間所要時間
石垣島 → 上原港(高速船)約45〜55分
上原港 → 遊覧船乗り場約16〜20分
遊覧船(下流 → 上流船着場)約30分
船着場 → マリユドゥの滝約30〜40分
マリユドゥの滝 → カンビレーの滝約20〜30分
滝での滞在・往復トレッキング約2〜4時間
合計(日帰りの場合)約6〜8時間

日帰りvs1泊2日、どちらがおすすめ?

前述のとおり、マリユドゥの滝とカンビレーの滝は、石垣島からの日帰りでも十分に楽しめる。ただし、そのほかの観光まで含めると時間にはあまり余裕がない。

西表島には、水牛車で渡る由布島や秘境とも称されるイダの浜、希少な生物について学べる西表野生生物保護センターなど、魅力的なスポットが数多くある。そのため、時間や予算に余裕があるなら、西表島に1泊することで、より充実した旅を楽しめるだろう。

マリユドゥ・カンビレーの滝トレッキングの持ち物リスト

カテゴリアイテム
マリンシューズや長靴を推奨
服装通気性がよく、肌の露出を控えた服装
飲み物水・スポーツドリンクなど(自販機なし)
その他タオル、替えの靴下、ビニール袋(濡れ物用)、気になる方は虫よけスプレー

もし、滝の思い出を写真や動画に残したければ、優れた望遠機能を持つカメラがおすすめ。というのも、マリユドゥの滝は、スマートフォンのカメラで普通に撮影すると下の画像のような感じになってしまう。悪くはないが、滝が小さくて正直よくわからない。前述のマリユドゥの滝の画像は、400mmの望遠レンズで撮影したもの。滝の迫力がまったく違う。

ジャングルの雰囲気は伝わるけど、マリユドゥの滝が遠い
ジャングルの雰囲気は伝わるけど、マリユドゥの滝が小さくて迫力に欠ける

マリユドゥ・カンビレーの滝のトレッキングの注意点

服装はしっかり準備する

前述のとおりビーチサンダルでのトレッキングは危険だ。遊歩道は整備されているとはいえ、ぬかるみや沢を渡る箇所があり、滑りやすい場所も多い。また亜熱帯のジャングルにはハブやヤマビルが生息しているため、肌の露出はできるだけ避けてほしい。

船と遊歩道の乗り継ぎ時間を必ず確認する

繰り返しになるが、遊覧船の時刻管理が最も重要だ。帰りの遊覧船の時刻を必ず事前に確認し、余裕を持ったスケジュールで行動しよう。天候や水位によっては遊覧船が欠航・変更になることもあるため、浦内川観光のウェブサイトで最新情報を確認しておくことをおすすめする。

動植物への配慮を忘れない

西表島は世界自然遺産の地であり、イリオモテヤマネコをはじめとする希少な生物が生息している。希少生物の中には、触れることすら禁止されている種類があるため、トレッキング中に野生動物と遭遇したり、きれいな植物を見つけたりしても、基本的には触らないほうがいい。自然はあくまでも鑑賞するものとして、静かに楽しもう。

ちなみに筆者は、野鳥、爬虫類、昆虫とさまざまな生き物に出会うことができた。いちばん感動したのは、復路の遊覧船に乗船中、国の特別天然記念物で絶滅危惧種にも指定されているカンムリワシが目の前を横切ったこと。一瞬のことで撮影はできなかったが、カンムリワシを見たくて八重山諸島に行っていたため、とても嬉しい瞬間だった。

トレッキング中に出会ったイシガキヒヨドリ
トレッキング中に出会ったイシガキヒヨドリ
準絶滅危惧(NT)のサキシマキノボリトカゲ
カンビレーの滝で吸水していたミカドアゲハ

ベストシーズンはいつ?

マリユドゥの滝とカンビレーの滝のベストシーズンは、一般的には梅雨明けから夏の滝の水量が多くなっている時期といわれている。でも、その時期の沖縄はとにかく暑い。滝は一年中楽しめるため、「いちばん迫力のある滝が見たい」という強い想いがなければ、時期を少しずらしたほうが快適なトレッキングを楽しめるはずだ。とはいえ、筆者が行った10月頃も暑かった……。西表島は、「行きたい!」と思ったタイミングがベストシーズンなのだろう。

他の離島では絶対に体験できない世界へ

マリユドゥの滝・カンビレーの滝は、ガイドなし・ひとりでも行けるにもかかわらず、世界自然遺産の西表島の大自然を全身で感じられる唯一無二のスポットだ。川を遡る遊覧船、亜熱帯のジャングルのトレッキング、そして密林の奥に突如現れる滝——この体験は石垣島の海とはまったく異なる、もうひとつの八重山の顔だ。

次の石垣島・西表島旅行では、ぜひ半日を使ってジャングルの奥へ踏み込んでみてほしい。

八重山諸島をもっと満喫するなら

※掲載している情報は記事制作時のもので、現在の情報とは異なる場合があります

この記事を書いた人

奈古善晴のアバター 奈古善晴 編集者・ライター

年間1000本以上の新商品レビューを執筆するフリーの編集者・ライター。
自動車業界で約10年の経験を積み、中古自動車査定士の資格を取得。アートディレクターとしてウェブサイト制作や広告運用に従事し、編集プロダクションへの転職を機に編集者・ライターへ転向。これまでに「editeur」「FNNプライムオンライン」「SUUMOジャーナル」「R25」など多彩なメディアに寄稿。ライフワークとして沖縄に足しげく通い、やんばるや離島の大自然に没入。自身の経験をもとに、沖縄観光や離島の魅力を発信するコンテンツも手掛けている。

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