夏の旅行先として沖縄を考えている方は多いはず。そこで今回は波照間島に注目。2025年のGW期間中に3日間滞在してきたので、実際に感じた島の魅力を紹介します。
波照間島は日本最南端の有人島
沖縄県の八重山諸島に属する波照間島は、日本最南端の有人島です。

人口500人程度ののどかな島は、八重山諸島の玄関口となる石垣島から船で60~90分程度の場所にあります。テレビでもよく紹介される竹富島(10~15分)や西表島(40~55分)よりも移動時間や船代がかかるせいか、他の離島よりも観光客はあまり多くありません。
そんな波照間島にはいろんな魅力があるのでいくつかピックアップしましょう。
プールのように透き通ったハテルマブルーの海
波照間島の魅力のひとつは「ハテルマブルー」と呼ばれる碧く透き通った海です。

島内で唯一遊泳できるニシ浜では、白い砂浜とどこまでも続くハテルマブルーの海を見渡すことができます。透明度が高いためシュノーケリングをすれば、サンゴ礁やカラフルな熱帯魚を見ることができ、運がよければウミガメにも出会える可能性があるんです。


ちなみに、4月末あたりでも気温が高くて問題なく海に入ることができました。
ニシ浜は夕日も楽しめる
ニシ浜はシュノーケリングスポットであると同時に、夕日を楽しめる場所でもあります。水平線に沈む夕日や空のグラデーションを眺めていると、日々のストレスから開放されますね。
昼間にシュノーケリングを楽しんで、いったん宿に戻ってシャワーを浴び、カフェで休憩。その後、日の入り前にニシ浜に戻り夕日を堪能し、居酒屋で一杯。最高な一日ではないでしょうか。


ニシ浜のアクセスと注意事項
ニシ浜は波照間船客ターミナルから徒歩でも行くことができます。また、ビーチにはシャワーやトイレもあり、近くでシュノーケルセットをレンタルできるため、海が目的であれば日帰りでも十分楽しめると思いますよ。
ニシ浜の入口には、海を楽しむための注意事項が書かれています。

ひとりで泳がない、ライフジャケットやウエットスーツを着用する、飲酒をしたら海に入らないなど。また、波照間小中学校の生徒さんが制作されたと思われるポスターも貼られています。サンゴを守るために、オキシベンゾン・オクチノキサート・オクトクリレン、ナノ粒子を使用した日焼け止めは使用せず、サンゴに優しい日焼け止めを使うように呼びかけていますね。ニシ浜の海に入る予定がある方は、事前にリーフセーフを謳った日焼け止めを用意しておきましょう。

満天の星と水平線近くに輝く南十字星
八重山諸島は世界トップクラスの星空を楽しめる地域で、2018年には西表石垣国立公園が日本で初めて星空保護区に認定されました。西表島や石垣島はもちろん、鳩間島や波照間島も公園域に指定されています。世界で59番目となる「ダークスカイ・パーク」となり、光害が少ない夜空にはこぼれ落ちてきそうなほどの星が広がっているため、感動すること間違いなし。

また、12月から6月頃にかけて南側の空の水平線近くに南十字星が現れます。星空観察は雲の少ない天気のよい日が適していますが、多少曇っていても運がよければ南十字星を肉眼でも楽しめますよ。

肉眼でも楽しめると言いつつも、今回の滞在3日間のうち見ることができたのは一晩だけ(しかも一瞬……)。


ちなみに、南十字星は南半球で見られる星座のひとつで、日本では石垣島や波照間島などの緯度が低い一部地域でしか見ることができません。オフシーズンの八重山諸島の大切な観光資源のひとつといっても過言ではないはず。
波照間島の星空スポット
波照間島で星空を眺めるなら、日本最南端之碑や波照間島星空観測タワー(休館中)付近がおすすめです。時期と天候がよければ、前述のとおり南十字星などいろんな星を見ることができます。




他の場所だと、下記マップの溜池付近がアクセスしやすく南側の水平線がきれいに見えていたのでよさそうでした。


南側には底名溜池展望台やぺムチ浜などもあり、星空スポットにはよさそう。




しかし、底名溜池展望台に行くには農道を歩かなければならず、ぺムチ浜に行くには森を抜けないといけないのです。波照間島はハブがいない島といわれていますが、夜道はやや怖いため、個人的には最南端之碑や溜池付近をおすすめします。
さまざまな生き物に出会える
那覇から約460km離れた場所にある波照間島には、さまざまな生き物が生息しています。
有名どころ(?)だと、リュウキュウコノハズクというフクロウがいて、夜になるとどこからともなく鳴き声が聞こえてきます。



野鳥好きな筆者としてリュウキュウコノハズクの姿を見たかったのですが、ライトでいろんな場所を照らしながら探し歩くのは島民の方の迷惑になります。さらにもし発見できたとしても、ライトの光はリュウキュウコノハズクにも悪影響を与えかねないので鳴き声だけを楽しみました。
というわけで、ここからは筆者が見かけた生き物をザクッと紹介します(もし名前に間違いがあれば、ご指摘いただけると幸いです)。
海の生き物
ニシ浜で見かけたスベスベマンジュウガニ。丸みのあるフォルムがとてもかわいらしいですが、体内に毒があり、食べるのは危険。


次はナマコ。どこのビーチにもいる気がしますが、ニシ浜にもたくさんいました。


以前波照間島に訪れたときは、シュノーケリングをして鮮やかな熱帯魚などを見たのですが、今回はシュノーケリングをする時間がとれなかったので海の生き物は以上です。
波照間島で見かけた野鳥
今回の波照間島では、ほぼ野鳥探しをしていました。昼間、どこか森の中でリュウキュウコノハズクに出会えないか探し回りましたが見つけられず……。発見できた野鳥は以下のとおりです。
まずは比較的たくさん飛んでいた、頭が白いシロガシラ。スズメくらいの大きさでかわいいですね。


こちらはリュウキュウツバメ。つがいでしょうか。


後頭部あたりに2本の羽があるコサギ。


真っ白な羽からオレンジ色の夏羽に換わりつつあるアマサギ。


水辺で餌を探していたセイタカシギ。


セイタカシギと同じ場所にいたバン。真っ赤な額が印象的です。


カラスは日本全国どこにでもいますが、八重山諸島のカラスはオサハシブトガラスといわれています。ちなみにこの写真のカラスは、観光客が自転車のカゴに置きっぱなしにしていた荷物にいたずらしようとしていました。観光するときは、大切な荷物もゴミもちゃんと管理しながら楽しみましょう。


最後はスズメ。


撮影には失敗してしまいましたが、シロハラクイナを何度も目撃しました。見つけてもすぐ草むらに入ってしまうため、撮影は困難。
そしていちばんの目的であったリュウキュウアカショウビンも撮影できず。シロハラクイナ同様に、発見してもすぐ姿を隠してしまうので写真には残せませんでした。



日の出前あたりから鳴き始めるので、あの特徴的な鳴き声「キョロロロロ」を堪能できてよかったです。
八重山諸島の野鳥といえば、国の特別天然記念物で絶滅危惧IA類に指定されているカンムリワシが有名ですが、波照間島にはいないといわれています。カンムリワシに出会いたい場合は、石垣島や西表島に行きましょう。ただし、もし見つけても十分距離をとって観察してください。


「絶対カンムリワシを見たい」「もっと近くで観察したい」という方は、「石垣 やいま村」で終生飼養されているよんなー君に会いに行くことをおすすめします。


波照間島で見かけた蝶
島内は虫も多いです。目を奪われるような美しい蝶もいれば、夜になると多くの人が嫌うあの昆虫もよく見かけます。ここでは、撮影できた蝶をピックアップ。
・リュウキュウアサギマダラ


・オオゴマダラ


・リュウキュウムラサキ


・シロオビアゲハ


・ジャコウアゲハ


ほかにもさまざまな虫を見かけましたが、苦手な方も少なくないと思うのでここでは割愛します。
沖縄の自然が好きなら一度は行くべき場所
今回紹介したように、波照間島にはさまざまな魅力がたくさんあります。「高級リゾートホテルでリラックスしたい」「ショッピングを楽しみたい」「いろんな沖縄グルメを楽しみたい」という方には不向きかもしれませんが、沖縄の自然や生き物、星空が好きな方にとっては魅力に溢れた場所です。
必ず一度は訪れてほしい離島ですが、一度訪れると虜になってしまい何度も足を運ぶことになると思うのでご注意を。